辻義理と山作業 壱

東京を去るまえの一年ちょっと
おれは『辻義理』と題して
路上ライブをやっていた

まぁおもしろいほどの頻度で警察に捕まる
最短で一曲うたえないこともあった

路上ライブを好きで
いつも観ているというひとが言うに
通報をしてあたふたと捕まっている様を見て
楽しんでいるひともいたりするという

そしてなかなか聴いてもらえない

その場で発揮できる
歌唱力の足りなさを嘆きながらうたった
嘆き尽くした挙句
自分の曲作りに対して
「これでよかったのか?」
という疑念が湧き続けて辛かった

曲を疑うということは
戦場に弾が出ないかもしれない
銃を持って行くようなものだろう
おれは武器を持ち替えようかと
思い始めていた

うたはものすごくわかりやすく
良くも悪くも媚びを含みはじめた
おれの技量の足らなさのせいもあるけれど
声の表現の強弱が減って
いわゆるライブ向きの声に近づいた

そんなころすこしずつ
Twitterやustで仲良くなったひとたち
さらにTwitterが取り持った縁で
出演させてもらった
『ちんさやリターンズ』のリスナーさんたちが
『辻義理詣で』みたいな感じで
会いに来てくださるようになった

つづく

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