色とりどりの傘の列が
歩道橋を越えて
意味も無く楽しげに
見えてしまう景色を眺めて…
僕だけが
抜け駆けした気になって…
考えりゃあなたは
時間を潰してただけなのかな
ガラスの向こうで濡れる
自分の姿も見ていた
立場をわきまえず
出すぎた思いは
水溜りに目を凝らして
ただもがいて
止めてなお余る無謀さだけが
願ってもない愛する訳
諦め早い事実の前に黙り込む
過去を待って
あなたが引き返したとしたら
静止したと仮定した時の
その先で待とう
射抜く眼が
僕を睨む
無遠慮な距離にあるように
器用にテンプレートを埋めていくような
作り笑顔見つめても
あなたが生き抜けるような気が
しないのはなぜか考えたら
年甲斐もなく
眠れぬまま
日の出前の狂った自分を
見張って…
齢重ね
削がれ残る愚直さだけじゃ
あなたを困らせもせず
愁い帯び荒れたその肌に見とれる
雨を待って
生爪を剥ぐ痛みの前に
あなたの自意識を抱く
奏でられる旋律は
おそらくある程度
決まっているんだ
あさぼらけ
溶けて消える前の月は
せめてもの強がりの果て
悲しみと塗りつぶすには
愛おしくて
彼そ誰
触れたそばから溢れてくる
意外にも正しい思い
まだ揺れてる錯覚に
独り陥ってしまってるんだ