はずされた補助輪

いまぼくは
静岡では有名な
ハンバーグを食わせる店の
入り口にある待ち合い席にいます

日曜日のお昼すぎ
たいへん繁盛していて
まわりは家族連れだらけ
キャンペーンをやってることも
関係してるみたい

やっと歩けるようになった
女の子は ゆめちゃん
歩くたびピューピューと音がする靴で
外にタバコを吸いに行った
お母さんを泣きながら追いかける

読みふるされた少年ジャンプを
並んで仲良くのぞきこむ
眼鏡をかけたカップル
彼女の方が読むのが早いらしく
彼がたまにたじろぐ

20130217-145511.jpg

ぼくよりずいぶん若いであろう夫婦
男の子は小学校二 三年くらいか
おとうさんはいつも忙しいのか
この待ち合い室で
息子さんの自転車の
補助輪がはずれたことを知ったらしい

何度も確認し
深くよろこぶおとうさん
何度も確認するのは
信じられないとか
疑ってるとかじゃなくて
何度もよろこびたいから

ぼくらの名前が呼ばれて
席に向かう
席が空くまでに垣間見た
関係ないはずのひとたちの
人生みたいなもの

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