私小説?白紙答案と留年と髙山少年と進藤さん 荷(に)

この度 おれの故郷熊本から静岡までご足労願ってまでライブをご一緒させていただく進藤久明さん
熊本のレジェンドシンガーソングライターさんとの共演のきっかけになったのは 高校2年生の髙山少年のひとつのあほな決断からだった!

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(くれぐれも進藤さんが留年したわけではないのでよろしく…)

自宅待機を命じられたおれは「しまった」と思っていた
追試を0点で提出することで進級基準に点数がいたらなくなる イコール 留年する と思い込んでいたものの 追試を無効化する所業が学校に対する反逆というか 公式に設定された行事を無効化してしまう行為で 手順を重視する学校という組織を冒涜するような意味を持ちかねない 取り調べの途中で「何かへの抗議の意味を持ちますか?」と聴かれたのもきっとそのせいだ ちょっとゾッとした…
学校から帰る前に担任の先生にあった
先生はおれの頭をつかんで揺らしながら少し悲しそうな苦しそうな弱った顔をした

父には殴られると思っていたが「馬鹿が…」と言われただけだった
母は泣いていた

屋根裏の自分の部屋にこもっていたのではっきりしないけれど その日の夕方学校から担任の先生が家までいらして 正式に留年が決まったとの旨を伝えてくれたと思う

留年が決まるまでの流れは以上の通りで その後おれは二度目の2年生をすごすことになる
他の学校も似たようなものだと思うのだけれど 学年ごとに色が決まっていて 最初の2年生の学年は緑
体育服や上履きなども新しい2年生になると緑から赤に変わった
その頃から物を買うのが嫌いだったおれは新しく買わなければいけないのが嫌でさらに しまった と思ったんだった

新しい生活が始まった
俺が新しい学年に慣れるどうこうよりも 下級生だった新しいクラスメイトの連中が俺に慣れない感じが続いた
勉強ができる女の子などはあからさまに迷惑そうな目で見てた
まあそうだろう 学校を揺るがす事件を起こしたやつが同級生で彼女らは難関と言われる大学を目指していたんだから

数ヶ月後おれはクラスの男子たちを中心に『長老』と呼ばれるようになっていた
打ち解けにくい感じがとれない中 異物は異物なんだから もうそれをカジュアルに扱うほうがいいのではないかと思い 一部打ち解けてくれた新クラスメイトの男子たちにそう呼んでくれるよう提案しそれが定着したのだった

そんな中 新同級生の中でもそんなに親しくなかった もしかしたら他のクラスだったかもしれない一人の子から『高校生の主張』という弁論大会みたいなものがあり出場してくれないか?と頼まれた

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