エッセーはタイムスリップする

『三谷幸喜の怒涛の厄年』という
旧いエッセーがあります

ぼくはこれを
エアロバイクをこいでいる30分間
パラパラ読んでいる
エアロバイクと言っても
電源ケーブルを切られて
液晶パネルには速度も距離も
カロリーも時間も表示されはしない
ペダルの重さだけ変えられる状態のものを
モノを捨てたくないおとうさんが
駄々をこねてもらってきて
全然使ってないといういきさつのもの

それをこぎながら読むには
内容が難し過ぎず
喜劇作家の苦悩なども
少しわかって楽しくて
ちょうどいいのです

この本は
2003年の4月に出たもので
題名の通り三谷幸喜が厄年
つまり来年のぼくと
同じ年のころに書いたもの
ってことになります

考えるとぼくの年のころには
王様のレストランも
古畑任三郎も
世に出した後だってことになる!
じゃあ
『やっぱり猫が好き』
はいくつのころ?

インディーズで
縄の先につけた種火を
風から守るようにしてすごす身の上とは
えらい規模の違いだなぁとおどろきつつ…

なんて書くと
「あなたはその立場に誇りを持って生きればいいのです」

みたいにはげましてくださるかたがいたりする
しかしあれは実は
励ます側が気持ちいいだけで
はげまされる側はもっと落ち込みます
凹んだりうらやましがったりしていないとき
はげまされることほど切ないことはない
「ああおれはこのひとにとって
『凹んで然るべき立場』
って見えたかをしてるんだな」
と 一層現実を突きつける!
ぼくは
『世の中には凹んでいるひとの数より
はげましたいひとの数のほうが
多いんじゃないか』説を
『世の中には教えて欲しいひとより
教えたいひとの方が多いけれど
教えてほしいことだけを教えてくれるひとは
すごく少ない』
という説とともに来年も唱えていこうと思います

近景

はなしがそれました

そうやって自転車をこぎながら
同じ年の人気脚本家が過去に
視聴率に悩んだり
飼い犬や親の怪我や病気にもだえたりしたはなしを
「その後あなたの映画は大ヒットするんですよ」
なんて感じの
未来人目線で微笑みながら
読むんです

この本はエッセー集の二冊目で
おれは一冊目もやっぱり
自転車をこぎながら読みました
一冊目からいままでの随所随所に
『奥さんに捨てられないようにぼくは必死です』
というメッセージがちりばめられていて
彼がその後その『奥さん』こと
小林聡美と離婚したことを知っている
未来人のぼくにはちょっとつらい

「三谷さんだめだ!
あなたそのあと最愛の妻が去っていって
浮気が原因とか
三人の女がいたとか噂されるんだよ
おかあさんが言ってたよ」
厄年をむかえる年末
おれは今日も時間を見つけては
自転車をこぎながら
そんなことを言って身をよじっています

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コメント

  1. ぼくはげ 更新しました… 
    『エッセーはタイムスリップする』

    http://t.co/RdCG7giv

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