ヤマサクマイニチ150 2020年5月20日(水)朝ドラ「エール」はあの頃の俺の物語 消し去るべきもの

いまの朝ドラ「エール」の主人公は古山裕一
名応援歌を作りまくった作曲家
古関裕而さんがモデルだそうだ
俺は録画できなかった2回以外は全部観ている
その2回はハードディスクにすたっふが
過去の俺のテレビ出演の録画を残したまま
消させてくれないために起きた
消したい トイレの匂いの如く
すぐ消したい!

いまはちょうど主人公裕一が
コロンビアがモデルのコロンブスレコードと契約するも
自分の作品を作ることにこだわり過ぎて
小難しい曲になってしまい
ボツをくらいまくっているところ
苦しい

変なことを書くよ
読んでいるあなたは
思い上がったやつと思うかも知れないし
意味がわからないかも知れない
しかし 思うのだから仕方ない
書くよ 書いちゃうよ

俺はレコード会社と契約をしたことはないし
楽譜の読み書きもできないまま
音楽家をやっているので
こんなことを言うと
おこがましいのは重々承知で書く

この朝ドラ「エール」の中で
自分の作品を作ることにこだわり過ぎて
小難しい曲ばかり作ってしまう裕一は
あの頃の俺なんだ

変なこと書いた

(動画は内容には関係ありません)

あの頃の俺は
ありふれた曲を書きたくない
誰にでも作れる曲を書きたくないと
ずっと思っていた

10年前
静岡へ来た頃ももちろんそう
アルバムで言うと
一枚目「山作戰」は夢中で作った
二枚目「山作業」は自分が作りたいように
できるだけひとと違うもの
ありふれないものを作りたいとあがいて作った
この頃の俺はまさに
置かれている立場や
才能は違うかも知れないけれど
あるとき音楽関係の方に
「あなたはこのCDを聞くひとのことを思い浮かべてないでしょう」
と言われたことがあって
「ないですね 必要ないです 俺からの提案ですから」
みたいに答えて苦笑いされたりした
山作為」もまだそんな時期だ

その後しばらく経って
斉藤 英夫と一緒に
天草栖朗名義でアルバムを作る機会をいただいた中で
こだわりが強すぎていろんな場面で迷惑をかけまくった
作品ができたあとで
「そんなに頑張らなくても
あなたが作れば普通の曲にはならないから安心して」
と笑って言っていただいたりして
そのときは意味がわからなかったけれど
ふと
なんのためにこだわっているんだろう
ありふれて何がいけないんだろう
なんて思うようになって数年

その間に作った曲たちは
聴いてくれるひとを浮かべて
ありふれてもいいから喜ばれるように
ちょうどよく意外性もあったらいいな
などと思い描きながら
作ることも多くなった

しかしここで斉藤さんの予言はあたる
「そんなに頑張らなくても
あなたが作れば普通の曲にはならないから安心して」
普通の聞きやすい曲を作りたくても
なかなかそうはならないのだ
むしろ頑張って聴きやすく作っても
「難しいね」と言われることが多いくらい

そういうことか
だからあのとき斉藤さん笑ってたんですね
くーーーっ

裕一よ!
あなたはきっとドラマ的に
今週中にはやすやすと この困難を越えていくんだな
俺も新しい場面を目指して曲を作るよ
きっと
捨て去り 消し去ってもなお残るのが
本当のこだわりや自分らしさだと思ってるよ

その前に消し去らないといけないのは
ハードディスク内の過去の俺のテレビ出演の録画なんだけどな
続きが録れない

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