ヤマサクマイニチ180 芸事が売れるということ 現実と自分で半分ずつ絵を描く

俺達の芸事が売れるということは
例えるなら自分側から描いた半分の絵と
現実が描いた半分の絵の間に
矛盾やズレが少ない状態なのではないかと
ここのところずっと思っている

みんなやりたいこととやれることに
少なからずズレがあるものだけれど
中には時代に愛されたような
好き勝手に描いた絵と現実の絵が
次々にピッタリと合うような
自分のポップセンスと世界が
当たり前のように一続きになるひともいる

依頼されてヒット作を連発する作家さんは
自分の描く絵をたくみに変えて
現実にぐっと寄り添っているとも言える

この絵の例えは最近思いついたもので
その前は橋で例えていた
芸人側から架ける橋と
現実側から架ける橋が
交わることがなければ
「売れ」の世界へは渡れない
または
ひとびとがそこを通って
こちらへ来てくれないのかも知れない
芸人は日々 色々と試す
その中で
自分の納得や自己顕示欲
譲れる部分の確認をしながら
絵を描いていく
調節しながら橋を伸ばして行く

描いた絵と現実側の絵の辻褄が合っても
伸ばした橋がピッタリとつながっても
モチベーションの維持に問題が出るほど
自分のスタイルから無理をしてしまって
絵が消えてしまったり
橋が壊れてしまったりすることもある

その絵がどんな大きさのものになるのか
その橋がどのくらいのひとが通れる橋なのか
力尽き モチベーションが枯れるまで
納得できる絵を描こうとし
橋を架け伸ばし続けるのが
芸人の一生なんだろうなと思っている

それではまた
明日の未明ごろに

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