陰影の強い雲

君を嫌う算段をして
しくじり募ってったんだっけ?
陰影の強い雲を
見たってメールを
受け取る前の日の僕

先が見えなくてつらいから
やめようって苦しそうたから
「離れるのは辛くないの」って
返す屁理屈のような正論…

誰かを責めて済むのなら
こんなには
深くは刺さらない
この距離を埋めて
聞き訳ない
君をうつむかせたくないのに

薄い青の高い空
見上げることもなく歩くから
止まろうかと言った
直後に君の髪が
刺すような風に揺れた

眠い朝は世界中を
嫌ってしまいそうだから
君のことは
考えずにいようって
君に言う
僕をわかる

優しげに
微笑を強いるような
明るすぎる冬が来るよ
息を吐くのも忘れて
僕の手を振り払う君を見つめた
傷口に張り付き乾いたガーゼをはがすような
全ての痛みに耐えるように
目を閉じ 通り過ぎる

君を嫌うのをあきらめて
少し苦笑いをして
陰影の強い雲を
見てたってメールを
受け取った後の僕。

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