100日山作戰 その89

「メジャーデビューできるといいですね」
いまだに言われる言葉

そのひとが言っている「メジャーデビュー」がどんな状態を指すのか まずこれがあいまいだ
誰を思い浮かべているのか 実在するひとならいいけれど ドラマの中のロックスターや過去の外タレみたいなのが混ざっていたりもする
前は確かめて説明をしていた
お客様がなにをわからなくて 何のことを思って何をおっしゃっているのか どうされたいのか
カスタマーサポートをやっていたときの基本

それも最近はやめた 

メジャーデビューとはメジャーレーベル 特定の組織に属したレコード会社からCDを出すことを言うわけだけど それだけで食べていける状態になるとは限らないし テレビに出られるわけでもない 
我々がやっている作業の数々のうちのどれだけかを会社のひとがやってくれることはあるのだろうけれど 「メジャーデビュー」したひとの上澄みの何パーセント以外のほとんどのみなさんはテレビで見かけるひとたちとは雲泥の差の不自由さとお金のなさを味わっている
俺なんかよりずっと好きなことができなくて 給料が少ないひとだってたくさんいる

俺たちはと言えば ライブの企画から曲作成のスケジュール グッズの考案 楽器を運び セッティング 告知 広告 営業なんかも自分たちでやる音楽生活の中で 自分に才能があるのかどうかをいつも自分に問い続けて暮らしている

会社は守ってくれないし 成功経験のあるひとがジャッジもしてくれない 毎回ライブをするごと 毎回作品を発表するごとに試され確かめられ続ける日々でもある
ファンのひとだっていつから始終ラブコールを送って下さるわけではないから 不安と闘い 奮い立たせ またステージに立つ

お金回りの足りる足りないも全部目につく これが大変だ 夢を思いを実現するときに ついついお金の目盛りが見えてしまうのを
「知ったことか!たのしいからやるんだい!」
と言えなければそれこそ センまつりなんて絶対できない
力がありそうな 有名なミュージシャンや歌手のひとが 大きいコンサートをしないのはこの辺の頭のよさが歯止めを利かせてるからだろう

頑張っているうちにひとは賢くなる
生き抜いた勘違い 馬鹿はそうそういないのだ!

それでも俺たちはやる
もはや自分たちだけの話ではない 関わってくれるひとも増えた あなたもこれを読んでるんだからすでに関わっているしね
俺なんかもう 全おっさんのため 静岡の 日本のためだと思い始めてひさしい

メジャーデビュー云々はどうでもいいくらい それよりももっと価値のある 関係するひとたちみんなとちゃんとあいながら進んでいくまつり

持たざる者 大手に選ばれざるものを 選んでくれるひとがいればそれはメディアで メジャーの反対語はソーシャルだったりしないだろうか

などと まとまらなくなったので 大きなことを言ってごまかしつつ 俺たちはメジャーじゃない道を進んでいくよ

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