ある音楽の漫画があった
その漫画は映画にもなって有名なロックバンドが漫画の中に出てくる歌詞に曲をつけてそのバンドもうたい劇の中で女優さんもうたった
ここまで書くと何の漫画かわかるひとも多いだろう
ネタバレにならないように書こうとする
映画は予告編を観て 漫画の中で大切にされていた言い表せない小さなたくさんの矢印を 太い1~2個の大きな矢印で乱暴に書き殴られたような気持ちになって 観る気が失せた 予告編だけそうなのかも知れないんだけど
しかしこの曲が実にすばらしい
さすが人気バンドが書いた曲で 言い表せない小さなたくさんの矢印を 潰さないようにメロディーにのせて 映画の予告編よりもずっと 原作を大切にしているように思えた
この漫画には認められない愛すべきひとたちが何人も出てくる
それをこの人気漫画家さんが描く
認められないひとが作ったていの曲を
人気バンドのひとが作る
この矛盾が解消することはないだろう いや矛盾だなんて俺だけが感じている 世間から見ればただのいちゃもんですよきっと
頭ではわかっていても
いまどきの言い方で言うと 「モヤる」と言うのだろうか
ガッテンしていただけない俺がいるのだ
漫画家さんが人気者でなければ 俺のところへこの漫画は届かなかったし
人気バンドが名曲を書くこともなかったんだからね
自分に言い聞かせながら モヤりとモヤりがかけ合わさってできたその名曲を
聴いているのだった
いい曲だなあ