【山作言 会員限定】2020年5月23日(土)うどの思い出と「私にとっては食べ物じゃないから」

嫌いな食べ物のことをラジオで話すんですが
給食の時代からいろんな嫌いな食べ物を
もらう立場にありました

そのときに面白いなと思う瞬間が度々ありまして
それはその食べ物をくれる
それを嫌っているひとの動きなんです

全員ではないんですが
かなり普段上品な方でも
器をひっくり返して
ゴミを捨てるように俺の器に
その食べ物を落とすことがあるんです

俺嫌われてるのかなと
心配になるくらいなんですが
その後も普通に楽しく話すので
そうではないらしい

ああその食べ物が相当嫌いなんだなー
と思って見てたんですが
あるとき親しい友達に言ってみた
「そんな捨てるように(食材を)落とさなくても!(笑)」
すると彼女は驚いたように言ったんです
「あ ごめん 無意識! 私にとっては食べ物じゃないからかな」
バツが悪そうでしたがそのときハッとした
俺がそれを好んで食べるからくれているけど
彼女にとっては
食べ物じゃないんですね
独りで食べてたら
感情の動きもなく捨てるものなんです

今日 北海道からうどが届いたので思い出したんですが
ある料理屋さんに呼ばれて呑んでいるときに
うどの酢味噌和えが出て
うど嫌いな方が
「これ 要る?」って言って
下さろうとした

「要る要る!」って小声で言って
もらおうとすると
呼んで下さった方が
「うど好きなの?」と言われて
「はい」と答えると仲居さんに
「彼にウドをもう少し持ってきて」と
言って下さり
うど嫌いな方のものはそのまま
残してしまった

実際はなんと言われたか
忘れてしまいましたが
「こういうところでは
盛り付けも味わいだから
もらっちゃ駄目だよ」
みたいなことを言われて
「でもあのうどは捨てちゃうんですよね!」
とずっと心の中で言って
気になりながらも
俺だけ三人前くらいのうどと
美味しい料理を頂いたのを思い出しました

いまは少しわかる気もします
うどが綺麗に重ねられて
盛られてるのを
箸で崩してもらってしまうと
少し味気なくなるのは確か

でもやっぱりどこかで
捨てるなら食べたい
って思っちゃうんだよなあ

 

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