路上ライブをしたことがあるひとは
わかると思うんだけど
と書いたところで
そうそう路上ライブを
したことがあるひとはいない
それでもしたことがあるひとなら
相当鈍感でもない限り
気づいてることだと思うけど
うたっている俺たちに
向けられるまなざしのなかに
明らかにさげずむような
あざわらうような目線が
一定量まざる
これはどの年代のひとが
そうするという
傾向もなくただただ
必然のようにランダムに
混ざっているように見える
うるさそうなのとも
迷惑そうなのとも別な
悪意とも少しずれた
自然と溢れる侮蔑
見なければいいのに
見るのは見るんですよ
路上ライブに慣れてない頃は
実は痛い目にあいたくなくて
心の目を閉じてうたっていたので
気づかなかったのだ
しかしそんな状態でうたって
本当に伝わるわけはないことに
あるとき気づいて
(ほんとはわかってたんだけど
伝えたさが優って
やっと認めたと
言った方が正しいか)
セキュリティのレベルを落とすように
ガードを下げたら見えた
ガードを下げれば
攻撃力も上がるかわりに
世間の風もがっつり受ける
それでも攻撃力を犠牲にしてまで
守ってはいられないのだ46歳!
最初は本当にショックだった
いまでもなんともないと言えば
嘘になるし
何にそんなさげずみが送られるのか
理解はできてないんだけど
これによって心を動かさないように
トレーニングを積んできたので
心を開いて歌えている
なぜだかわかるひとや
そのまなざしの持ち主の方は
この文章を読もうとなんて
思いもしないだろうから
伝わらないんでしょうけど
俺は俺のうたってる姿に
豊かなエンジョイの目線を
送ってくれるひとのために
うたいますので
お目汚しごめんなさいよ