100日山作戰 その86

路上ライブをしたことがあるひとは
わかると思うんだけど
と書いたところで
そうそう路上ライブを
したことがあるひとはいない

それでもしたことがあるひとなら
相当鈍感でもない限り
気づいてることだと思うけど
うたっている俺たちに
向けられるまなざしのなかに
明らかにさげずむような
あざわらうような目線が
一定量まざる

これはどの年代のひとが
そうするという
傾向もなくただただ
必然のようにランダムに
混ざっているように見える

うるさそうなのとも
迷惑そうなのとも別な
悪意とも少しずれた
自然と溢れる侮蔑
見なければいいのに
見るのは見るんですよ

路上ライブに慣れてない頃は
実は痛い目にあいたくなくて
心の目を閉じてうたっていたので
気づかなかったのだ

しかしそんな状態でうたって
本当に伝わるわけはないことに
あるとき気づいて
(ほんとはわかってたんだけど
伝えたさが優って
やっと認めたと
言った方が正しいか)
セキュリティのレベルを落とすように
ガードを下げたら見えた

ガードを下げれば
攻撃力も上がるかわりに
世間の風もがっつり受ける
それでも攻撃力を犠牲にしてまで
守ってはいられないのだ46歳!

最初は本当にショックだった
いまでもなんともないと言えば
嘘になるし
何にそんなさげずみが送られるのか
理解はできてないんだけど
これによって心を動かさないように
トレーニングを積んできたので
心を開いて歌えている

なぜだかわかるひとや
そのまなざしの持ち主の方は
この文章を読もうとなんて
思いもしないだろうから
伝わらないんでしょうけど
俺は俺のうたってる姿に
豊かなエンジョイの目線を
送ってくれるひとのために
うたいますので
お目汚しごめんなさいよ

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