【山作言】2019年10月11日城下町ラストサムライ制作秘話 そのニ 「熊本十字星」

山作戰髙山が音楽を担当した「城下町ラストサムライ」という企画(加藤清正公の歌手デビュー)
熊本市観光課が制作したウェブ用の動画だが 公開されてちょうど2週間
中には20万再生に迫るものも出てきてありがたい

この「熊本十字星」は監督と最初に話した時点ですでにムード歌謡路線だろうということになっていた
映像の素材も大人の夜のイメージ
勝手にキューバっぽいパーカッションのループ(リズムの繰り返し)を鳴らしながら楽器は使わずにムーディーにうたって歌詞にメロディーをつけて作りながら録音し 完成したあとコードをつけていく
通常のムード歌謡の曲というのは展開も少ないし短いのだけれど 監督が書いた歌詞に言いたいことがつまっていたので どんどん展開して全部言い尽くすまでうたう感じ
「そっと注いでぎゅっと飲む」など キメたいところについても監督からは注文はなかったのだが初作詞とは思えないくらいリズムがある歌詞で 自ずとキメたくなったし「女将が夢見たこのシーン いつまでも輝いて欲しい」と韻を踏んで歌える場所なども監督のセンスが見事ですんなり作れて試聴のときに喜んでもらった

当初 歌詞にもセリフにも「馬肉」という言葉が出てきていた
東京でも「馬刺し」を指して「馬肉」という場面をよく目にしたけれど 熊本では「馬刺し」を「馬肉」と言うことがないように感じたので「『馬刺し』にしたい」とお願いしたところ快く「そういう意見が欲しいんです」と言っていただいた 監督のひとたらし

清正公がうたうという性質上 少し調子っぱずれにうたってそのままにした
最後(「らーらーらーラストサムライ」の部分の前)の「Yes she loving you」は最後の最後にクライアントから「英語として正しく修正したい」との要望があり「Yes she’s loving you」に変更になった
この部分 かなり音程が高い
最初は清正公がうたの音程高すぎて声が出ず面白く裏返る みたいにしようかと考えて一応高い音を使って作ったけれど 最後のうたい直しの際に「清正公 声 高っ!」ってなっても面白いなと勝手に判断して 少し本気を出して高音でうたって採用された

そうやって出来たこの「熊本十字星」 楽器を重ねてムード歌謡感を強めたかったけれどある程度チープにというコンセプトがあったので我慢
家来たちのコーラスでいい味を出してムード歌謡感を高めてOKをもらった

公開の後で知ったのだがこの青柳の女将 東京で友達になった俺と同じ年の仲間のクラスメイト
つまり俺と同じ年なのだそうだ 熊本へ帰ったら行ってみようと思う

高そうだけど その友達の顔で…

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