【山作言】2019年10月3日 城下町ラストサムライ制作秘話 その一 「ラストサムライ元三」

城下町ラストサムライ」という企画(加藤清正公の歌手デビュー)の音楽を担当した
熊本市観光課が制作するウェブ用の動画

監督さんが人生初めての歌詞を書き それに曲をつけるという依頼
曲をつけにくければ歌詞は変えても良いとのことだったが 俺としても自分の作家性を試したくて極力そのまま曲を付けた
歌詞を変えたのはほぼ一箇所のみ

4つ目の 長崎次郎喫茶室の曲
「11時26分」のサビが「語呂がいいねー」で終わっていたのに「次郎だけど語呂がいいね」と加えて繰り返させてもらった

そんな話を今回から書く
知ると動画を観るのがなお楽しくなるような その制作の裏側やこだわりについて少し

今回は一曲目 「ラストサムライ元三」のはなし

今回曲を作ったラストサムライのみなさんは誰ともおあいしたことがないと思っていたのだけれど 作り終わって納品して 動画が解禁されたあと高校の同級生に「髙山は元三さんにあっとるよ 里帰りのときゲンゾーン(元三さんの飲み屋)に行っとる」と言われたものの記憶にない そういえばあるとき里帰りして彼と飲む約束をした日に熱を出し ボーッとしたまま顔だけ出して一杯飲んで帰ったことがあった 「あれがゲンゾーンだったのか…」 と偶然に驚いたものの ほぼ覚えていないので今度帰ったら行こう

さかのぼってそんなことも知らずに作りはじめた一曲目「ラストサムライ元三
今回の曲は発表された順に 元三 → 青柳 → 武蔵屋 → 長崎次郎 → 川上酒店 の順番で完全決め打ちで一曲ずつ(余分なボツ曲はなし)で作っていったのでお試しも含めての一曲目だった

この曲が監督さんから「N渕さん風でどうでしょう」と提案された曲なのを感じ取った方はいただろうか
途中Y田T郎さんっぽさも出てる気もするけれど 「せいっ」って掛け声かけちゃってるしね ただ そのものズバリは絶対聞かず 脳内のN渕さん像をうっすら浮かべつつ 映像で観せていただいた 真っ黒に日焼けして世話を焼きまくる元三さんのイメージで肉付けをしていった

家臣がコーラスを重ねる案は監督から出ていて せっかくならあの戦い強そうな彼らがコーラス凝ってたら面白いだろうなと勝手にいろいろやらせてみたら 監督もスタッフのみなさんも喜んでくれ 全体を通して「イケそう」と手応えをもらった

別々の5曲の最後に共通してうたわれる「らーらーらーラストサムライ」というフレーズは この1曲目に合わせて作った
監督さんが作った歌詞が素晴らしく「熊本が好きだ 熊本が好きか」とうたう部分

どんな曲調にもくっついて それでいて熱く豊かな気持ちになったらいいなと思っていて ふと 小さい頃に聴いていたゴレンジャーの曲があたまをよぎった
「ゴーゴーゴーレンジャー!」とコーラスのひとがうたって メインのささきいさおさんは演説をしている不思議だけと熱い曲 最後に聴いたのはきっと小学生の頃 なのに頭の中に鮮明に残っていて 音楽をやるようになって思い浮かべると「あれはパーカッションの音とベースのラインだったのか ファンクだったんだな」と気づくことも多かった曲
ラストサムライがその時点では5人だったからだろうか 潜在意識なのか深層心理なのかわからないが 家臣たちと加藤清正公があえてビブラートをかけずにソウルフルにうたう感じにしたら いろんなの後でもちゃんと収めてくれるいいメロディーになった

これができるまで一日まあまあボーッとする時間も多かったが ここから一気に正味1日であとの4曲が出来上がった
特別で楽しい時間がはじまったんだ

その話はまた来週

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