【山作言】2019年10月25日城下町ラストサムライ制作秘話最終回 その五「幸せのうつわ」

もっこす」は36万超えこのまま増えてくれれば100万いくかな よろしければ広めて下さい
いよいよこの楽曲制作秘話も最終回だ 5曲目「幸せのうつわ

この曲はお気付きの方もいらしたが 監督さんから「ムッシュかまやつの『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』でお願いしたい」との要望があった

日本のしかも1975年にヒットした「我が良き友よ」のB面の曲 このシングルレコードはうちにもあって オモテ面とウラ面との落差に「?」となったのを覚えている
いま考えると吉田拓郎作曲のオモテ面をうたう代わりにウラ面は自由にさせてくれと言ったんじゃないかと想像できるくらいオシャレで歌謡曲風じゃない
これを清正公が歌うのって楽しいな ある程度かっこよくしたいな と思った

そのためにもオルガンのリフ(繰り返しフレーズ)をメインにしたいと思い 雰囲気に合いそうな渋いオルガンの音色を探すためにひとつひとつ音を聞いて 候補の音色を絞っていった
選んだ音色がフレーズを思い浮かべる手伝いをしてくれて さらにそのフレーズにより合った音色はないか選び直す
そういう行ったり来たりの作業をやっているうちにリフが完成
清正公がギターを持っていることが気にならなかった訳じゃないががっつりオルガンがメインの曲になってた

オルガンは打楽器のように叩くことで生きてくるので鍵盤を叩きながら録音してコード進行から作り終わり メロディは前々からブルースに合いそうだと思っていた「あんたがたどこさ」の音階をあてはめたらしっくり
監督が書かれた歌詞もはまり ほどなく出来上がった

最後にやはり清正公がギターを持っていることと音源のオルガンの音の整合性をとろうと思いアコギを録音して重ねて提出
正直「前半はアコギなくてもいいなあ」と思いつつ

結果案の定 「前半のアコギ なくせますか?」との要望 「ですよねー?ですよねー?」と独り言を言いつつうれしくなった
ギターを持っていても弾かなくていいじゃない

「やっぱりわかってるなあ」と嬉々として「アコギないバージョン」の作業をして書き出し ファイルを送ってオーケーをもらったのは 別件で東京を走っているクルマの中だった

正直言ってこの5曲は俺が任された仕事の中でも最大規模のもののひとつだと思う
日々心のどこかで「こんなもんじゃない」と言い聞かせ「もっと上へ行くぜ」と言い放ちつつも やっとこのレベルの仕事をさせてもらえたことがうれしくてたまらなかった

しかしこの仕事も広まってバズって訴求して初めて認められるものらしい
制作スタッフさんたちは続編目指しましょう と言ってくれていたがいま現在続編の話はまだない
こんなおもしろさしかない企画だもの 続編があることを願っていて欲しい

あ 山作戰に続編のオーダーが来ることをね 次はどんな無茶振りがくるか楽しみにしつつ

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