櫻の木と櫟の木

多くの出会いの中で
なくした
何かをあなたがくれた

でもあなたと僕は
住む世界が違う

あなたは美しすぎる

霧の様な雨に濡れながら独り
櫻の花咲き誇る春のようなあなた思う
夢の中かすかに覚えた温もり
求めさまよう子供の階段を下りる

行き交う人の群れの向こうで
あなたは溶けることなく清しい

僕はあなたの目には
切ない灰色の景色の中で
どんなに見えますか?

霧のような雨に濡れながら独り
ただひたすらに濡れそぼる櫟の小枝になりたいと思う
咲き誇るあなたの花びらを落とすことなく
静かに
降り続く霧のような雨をただ独り
見ていよう

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