コタツは人間を駄目にするとよく言う 実際コタツに入ると出たくなくなるのはもちろん そこで寝て風邪をひくところまでがコタツ
俺は人生で一度もコタツを所有していたことがないことに気づいた
同居したひとが持ってきたことはあったけれど 自分で買ったことはない
あとコタツってなんで湿気ったおせんべいの まあまあ大きなかけらが入ってるんだろう
そんな俺が実家でコタツの裏側を見た
ザリガニやクワガタのお腹を見るような気持ち あいつらの腹って見せるようにできてない 裏方感あるよね 見るとちょっとはずかしい気持ちになる
コタツのお腹もそうだ さらに中央の部分が神経質そうなひとの顔に見える
ん?
いまどきのファンが付いてるの? 顔の後ろにあるの ファンだよね いつから?昔のコタツは赤く光るだけだったよね
布団に囲まれた赤い空間が淫靡 そんな中
照りつける熱が浮いたジーンズの布地に貯まり 動いた瞬間それが肌に付いて あ゛!ってなり とっさに脚を動かしたばっかりに赤く光る部分を囲った網に脚をぶつけて痛い思いをするという一連のコンビネーションこそがコタツだったのに もうそんな心配も平成に置いてきたというのか そうか
コタツに入って寝ると風邪を引くのは脚が温められることで上半身も温かいと勘違いしてしまうからだとテレビで言っていた
そう 首まで入ってしまえばいいのである