【山作言 会員限定】俺の復讐 前編の続きです
ときはながれて2016年(平成28年)
4月14日(木)熊本地震が起きました
その前の年 テレビの企画で1年間
一緒に静岡県内の東海道の宿場を回ったディレクターさんと
その奥さんが急いで動いて下さり
10日後の4月の24日25日には静岡市役所の前で
【昨日の山作戰】山作戰茶プロジェクト 2016.04.25という
川根のお茶とのコラボのチャリティーイベントを開いて下さりました
「故郷のために何かしなければ」
と思いあせりつつ何もできずにいた俺は
このすばやさに救われた訳ですが
そこでもう一つ救いがありました
イベントが開催された2日間の
1日30分のステージを3回やったのですが
あるステージの途中で
1人の上品な年配女性が目につきました
ステージを終えると話しかけて下さり
熊本からいらして「熊本支援の文字」に
思わずうたを聴いて下さったとのこと
地震が怖くて心を弱らせてしまい
関東のご家族の元に身を寄せてお過ごしとのこと
静岡へ来て下さりありがとうと伝え
穏やかな気持ちになってくれるといいなと
熊本の話をしていると
おうちが熊本の街で
小料理屋をしているとの話が出る
もしやと思うも
小料理屋なんていくらでもある地域
まさかと店名を聞いてみるとそのまさか
あの日歩いて帰った
「じゃあお前はもう熊本人じゃないね」
と言われて悲しい思いをした
あの場所でした
こんなことがあるんだ
ずっと心に刺さって苦しかったものが
まさかの静岡で彼女と話してるその
信じられないシチュエーションとあいまって
溶けていくような
やさしい気持ちになっていきました
夕暮れの青葉公園
音響機材のの片付けをして
荷物をクルマへ積み込み終了
「あのとき誓った俺の復讐はもう終わっていたんだな」
としみじみひとりでにやけたながら
俺はトランクを閉めたのでした