昨日からはじまった山作用の全曲紹介
序章のつもりで書いた山作戰の置かれていた状況の予備知識の回が長引いた上にご理解いただけたか不安だけど 二回目です
煩悩スルメはもともと他のバンドのために作った曲でした
『煩悩スルメ』はもともと「鳩エコノミッケ」といううちの社長をヴォーカルにしたバンドのために作った曲でした
山作戰のメンバーすら集まらないのにそちらが集まる訳もなく結局音源『[download id=”14″]⇐デモ版をダウンロードできます』1曲を残して立ち消えとなったこのバンド
社長が忙しくてうたなんてうたってられないこともあり 今回の作品集の収録曲決めのときに 1番だけ作って気に入っていたメロディを候補に入れてみました
何曲も並行してやる作業の中で手付かずになっていましたが その間も気にはなっていて ご飯を食べているときイントロのメロディと決めのリズムが浮かんだところで「これはもう絶対ブラスセクションだろう!」と…
ご存知の方はアレですが ブラスセクションというのはトランペットトロンボーンなどの「管楽器」と呼ばれる演奏者数人構成のパートのこと(のはず)
この時点で俺は自分の持ってるブラスセクションの知識やイメージがあやふやであることに気づいてない
パソコンの楽器を再現する仕組みでこんな感じにしようというイメージを作ってみて「生で録ったらもっと素敵だろうなぁ」と夢見てた
そこですでに録音にどっぷり協力してもらっているおなじみ塚本恵さんに「ブラスのぉ お友達とかってぇ…」と小声で相談
塚本さん「あ?トランペットですか?トロンボーンですか?」
俺「え あ あれ? …ちょっと待って下さい」
(ブラスセクションの楽器って他になにがあるんだっけ)と調べると「トランペット トロンボーン」と書いてあるページを見つけた
(えーー サックスはブラスじゃないの?あ 木管楽器なのか あああ 思い描いてるのはトランペットとサックスなんだけど…)
なんてひとしきり身悶えながらも
「ト トランペットでした!」とお伝え
『明けない夜』のシングル版録音やライブで協力してもらってる井柳葉月さん(今回も「あいたかやま」「さようなら」「掻き消された声」でヴァイオリンを弾いてくれています)のご紹介で来て下さったのが岩田 恵子さんでした
不安の量は立てるマイクの数に現れるも
約束の日までトランペットの録音の仕方をググって調べ いつもの髙山堂音楽室和室スタジオにお呼びだてしての録音
(お渡しした楽譜はもちろん 塚本先生の手によるものです)
怖いのでいろいろなマイクを立てるのは 前回ヴァイオリンを初めて録音したときと同じ…
変な汗をかきながら録音エンジニア役を勤める俺
イントロのキメフレーズと展開しながら繰り返す肝のフレーズをお願いしたんですが その音色がまた素晴らしく 録音もおそろしくスムーズに終了!
さらにそこで「他になにか吹きます?」みたいに言って下さったので
「吹きます吹きます!!吹いて下さい ここを!!」
とお願いして快諾
岩田さんは展開メロディの少し哀愁もあるミュートトランペットを素敵に吹いて さっそうと帰って行かれました
その後の俺はといえば 「トランペットトロンボーンからなる編成がブラスセクション サックスを加えるとホーンセクション」ということを知り 自分が欲しかった雰囲気が「ホーンセクション」であったか…と愕然としながら サックスパートだけはパソコンで作られた音で再現して録音しました
その音が岩田さんと共演して一緒に鳴っておりますが 岩田さんのイキイキしたノリにつられてサックスもいい仕事しています
こうやってこの作品集で1番最初に鳴る音 私の願い「CDをデッキに入れて再生したひとが 『CD間違ったかな?』って思うかもなイントロ」から鳴るトランペットは録音されたのでした
コード譜 楽譜を要求しない変なベーシストが「こいよ」って言ってる
『鳩エコ…』のデモで最初俺が弾いたベースはもっと大きな刻みのロックっぽい感じのものでした
それを東京で活躍中で『ゆいのうた』や『木曜日にあいましょう』の音源でベースやギターを弾いてくれた坪光成樹君に頼んで小刻みにブリンブリンと駆け巡るようなフレーズでとお願いしました
こういう紹介で『活躍中』みたいに書く場合 過度に盛って書かれててあんまり活躍してないことも多いですが 彼はほんとに活躍中で ナタリー みたいな記事でも確か名前を見かけたりする活躍ぶりです
静岡蒲原で録音した素材ファイルをインターネット上で東京の坪光君にお渡しして「お願いします コード譜は…」って言ってるうちに坪光君は「今晩まで待ってください」と作業をはじめてるらしく 夜遅くにはベースパートのファイルが送られていました
彼が音源を聴いてさーっとコードをとっているのか とらずに作業をできる特殊な能力を持っているのかはいまだにわかりませんが ギリギリまで前のめりで のたうつ感じが素晴らしいですね
さらに彼は 俺の録音したドラムに対してベースのフレーズが明らかに 挑発している 誘っている みたいな部分が何箇所もありまして「ドラムもこいよ!」って語ってるように思えました その部分はベースに合わせてドラムのフレーズを変えて 挑発に乗ったドラムにして
「東京と蒲原のセッションだ」などと勝手によろこんでました
肉大好きギタリストは仕込みもぬかりなく
ギターはもちろん ここ最近のライブやシングル「明けない夜」の録音も手伝って下さった西村肉さんです
この曲は髙山堂へいらして録音してもらいまして 俺の妄想の世界の延長線上できちんとギタリストさんが弾いているノリを出す といったわがままで職人泣かせなお願いを汲みとって音にしてくれました
そんな中でも俺がお願いしたメインの繰り返しフレーズとは別に 隠しフレーズを組み合わせ それにワウ(ギターを演奏しながら足で踏み込むとその踏み込みの具合で「ワウワウ」という音の変化をもたらす機械)を合わせてはどうか? など たくさんアイデアの提案がありました
もはや「焼肉会をしよう」と言って集まってから肉を買いに行くのは邪道 漬け込ませろ!俺にやらせろ! って言ってくれる友達レベルの仕込みの的確さです(わざわざ肉で例えると有り難みが微妙です)
結果自動でワウワウ言う仕組みを採用し二人で聴いてニンマリ これが少しの哀愁やいやらしさなど 含む情報を増やしてくれた
現場で一緒に作業する醍醐味も味わいました
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そうやってできたのがこの音源「煩悩スルメ」でございました(岩田さんのトランペットが聞こえにくい部分を切り出してしまいました)
はたしてみなさんが望んでらっしゃるのがこれなのか不明なまま2200文字を越えてしまうことをお赦しください
作品集 気になった方は こちら で購入できますよって よろしければ
まだまだ続きます
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